「外資系金融の職場での人間関係はドライなの?」
今回の記事では、そんな疑問にお答えしたいと思います。
ドライな人間関係とは?
そもそも、ドライな人間関係とはどんなものでしょうか?
- お互いプライベートの会話はしない
- 会社を退職しても気にしない
- 仕事以外は会う機会を持たない
このようなイメージを持っている人が大半だと思います。
とにかく仕事以外の情報交換や接点は持たないし、必要のないことは話さない。
徹底した合理主義的な考えに基づくコミュニケーションこそが、一般的に想像するドライな人間関係ではないでしょうか。
外資系金融の人間関係→言うほどドライではない
でも、ちょっと考えれば、日系であろうが外資であろうが、そんな職場なんて存在しないことに気づくはずです。
もしあなたが外資系金融の社内で誰かとデスクを隣り合わせにして仕事をすることになったら、まずは
Hi, nice to meet you!
というような形のあいさつから会話が始まるはずです。
出身地から始まり、会社での仕事、共通の同僚の話題、そこからいろんな話が展開されると思いますが、いずれにしてもプライベートの話題を100%避けることはできません。
家庭を持っている人であれば奥さんの話をしますし(アメリカの人に多いですね)、休みの日はどこに出かける、このレストランは味いといった、本当にたわいのない話をします。
このようなプライベートの話というのは一見仕事の生産性には全く関係がないように思われますが、それが円滑なコミュニケーションを推進することもあり、実は非常に大切なことなのです。
スモールトークを通じてその人のバックグラウンド、性格、話し方、英語のクセ、それらを理解しておくことは共に仕事を進める上でとても大切なことです。
想像よりも「ドライではない」外資系金融の人間関係
そもそもですが、外資系金融で働くとはいっても僕らはロボットではありません。
感情を持った人間同士が働いているわけです。
イメージされているほど合理的ではありませんし、ドライになることなんて到底無理です。
周りからは冷たくて合理的なイメージのある外資系金融の社内ですが、実は想像されている以上にみんなプライベートの会話を普通にしますし、普通に仕事をしている分には結構仲が良いです。
誰かが退職したりクビになったら泣いてくれる人もいます。
例えば、僕が会社を辞めたとき、それを誰かから聞いたアメリカ人の同僚が
I am sorry to hear that… we definitely keep in touch!
とわざわざメッセージを送ってくれたこともありました。
プライベートでお別れのパーティーもあれば、食事の機会もあります。
人間としての感情の通ったコミュニケーションはきちんと存在しています。
外資系金融に入社したら社内の雰囲気はどうなんだろう?人間関係はドライなのかな?と心配される方もいるかもしれませんが、思っている以上に「普通」であることはお伝えしておきます。
外資系金融の社内には社交性がない人もいる
もちろん、外資系金融の社内の中にはあまり社交性のない人もいます。
また、あまり仕事以外の会話はしたがらない人も一定数います。
それは性格や気質の違いですから仕方ありません。
そういう人に対してはガツガツいかないようにするのが吉。
価値観や感覚の違いに対してはリスペクトの態度で接するのがグローバル企業の社内の暗黙のルールです。
一方の価値観をもう一方へ押しつける。そういったものが存在しないのも外資系金融の特徴かもしません。
外資系金融でのウェットな人間関係の具体例
僕が外資系金融で経験したウェットな人間関係を一つここで挙げさせていただきます。
例えばですが、普段は厳しい鬼のような外資系金融の外国人上司。
そんな上司でも、一緒に夕食などをとっている時、ふとした瞬間に「Father」の顔を見せることがあります。
料理を注文したあとの待ち時間の間にスマホの写真を見せてきて
「これ、うちの娘や!」
「これ、うちの猫や!」
とプライベートの写真をこれでもかと見せてきます。
誰も見せてくれなんて言わないし、むしろ別に見たくもない。
それでも空気を読むことなく自分のプライベートをさらけ出してくるわけです。
ひどい時なんて「これ、俺の家。でかくね?」みたいな自慢話まで。
「(そんだけ稼いでたらいい家住めるわ…)」と少し拗ねた気持ちにもなるのですが、相手は上司なわけですから
「うわあ、娘さん可愛い!(棒)」
「すごい!羨ましい!(棒)」
などと大きなリアクションをして機嫌を取るわけです。
それが段々エスカレートしてくると、「よっしゃ、電話するわ!」とスカイプで家族にビデオコールし始めたりして、なぜか上司の奥さんや娘さんに「H, Hello!!」と挨拶をしなければいけない状況になることも。
共通の話題がないのに何を話せばいいんだ?
失言したらクビになるぞ?
これまで培った社交性と頭の回転が問われる瞬間ですし、これこそが外資系金融マンの生きる道なのです….。
いずれにしても、普段から社内に恐怖の名を轟かせているような上司でさえも、ふとした瞬間はこうしてプライベートの顔を見せてくれるのです。
自分の家族を紹介してくれるわけですから、日本人的な気質としては、こういうファミリー感覚が結構嬉しかったりしてます。
鬼のような上司でも、そういう人間的な一面を見るからこそ「一緒に頑張ろう!」という気持ちになりますし、なんだか距離感も近くなったように感じるわけです。
もちろん、外国人上司も決してバカではありませんから、部下との円滑なコミュニケーションを実現するためにあえて自分をさらけ出すような行動をとっているのだと思います。
こういうコミュニケーションの取り方は、ある意味日系企業よりもウェットだと僕は思います。
会社に家族を連れてくる外資系金融の外国人たち
外資系金融の外国人の人は時々会社に家族を連れてきたりもします。
そのタイミングが結構ドンピシャで鬱陶しい時があるんですが、それでも同僚の家族の人を無下に扱うこともできないので、
「 Hi, nice to meet you!」
と引きつった笑顔で対応することがありました。
もちろん、握手をした後はダッシュで自分のデスクに戻りますが…。
日系企業では会社に家族を連れてくるなんて中々ないと思います。
ですが、外資系金融ではこういった光景は珍しくありませんでした。
同僚の家族を見るのって結構楽しいんですよね。
その人の「お父さん」としての顔も見れますし、新しい一面を知れたような気がしてこれまでよりも話しやすくなったり。
そういった意味では外資系金融での人間関係って全然ドライではなく、むしろウェットだと思います。
注意点:会話のトピックとしてタブーなもの
外資系金融の社内には様々なバックグラウンドを持った人たちが働いています。
プライベートのことを話す時は、下記のSensitiveなトピックは絶対に話さないようにしましょう。
- 宗教
- 政治
- 戦争・紛争
- 民族問題
- 歴史認識の違い
- 相手の国や文化に対してリスペクトを欠いた発言
答えのないことを個人間で話しても不毛ですし、最終的に喧嘩になるだけです。
最初から止めておくことに越したことはありません。
まとめ
今回の記事では、外資系金融の社内の人間関係が意外とドライではない、むしろウェットだということについて書いてみました。
いかがでしたでしょうか。
これから外資系金融で働いてみようと思う人にとっては参考になったのであれば嬉しく思います。