外資系金融に入社するためには高い英語の能力が求められます。
では、
「実際にどれくらいのレベルがあれば入社できるのか?」
「TOEICで言えば何点くらい?」
そのように疑問を持つ方はとても多いのではないでしょうか?
今回は、これまで外資系金融を3社渡り歩いてきた体験をベースに「外資系金融に入社するために必要な英語のレベルはTOEICで何点くらい?」という記事を書いてみたいと思います。
今、外資系金融を目指している人や英語を勉強している人はぜひ参考にしてくださいね!
外資系金融の面接で求められる英語のレベル
まず、外資系金融に入社するためには面接をパスしなければいけません。これは新卒であろうが、転職組みであろうが同じことです。
面接では、応募したポジションの部門の先輩社員、マネージャー、部門長と話をすることになるのが一般的な流れです。各外資系金融の方針にもよりますが、面接官全員が日本人ということもありますし、ボスだけが外国人というパターンもあります。このあたりについては、新卒の方であれば事前にOB社員にリサーチをしておく、転職組みの方であれば転職エージェントもしくはヘッドハンターへ確認しておくと心の準備ができていいと思います。
以下のようなOB/OG訪問の訪問サービスがあります。
>>同じ大学出身の先輩に話を聞けるOB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」
新卒の方はこういうサービスを積極的に利用して情報収集するといいでしょう!
面接官が日本人の場合の英語
面接官が日本人の場合だからといって安心はできません。面接の進め方は各人によって違いがありますが
「今から英語で質問をします!これからは英語で答えてください」
といって、英語でのインタビューが始まることがあります。
日本人同士で英語を話すのは何だか微妙な感じですが、それでも面接ですから真剣にやらなくてはいけません。恥ずかしい気持ちは捨てましょう。事前に日本人の友人とロープレをしておくといいでしょう。
面接官は帰国子女の場合もありますし、そうでない場合もあります。どのような人が面接を担当するかは運とその会社の人材のレベルに大きく左右されます。
求められる英会話のレベルですが、仮に英会話のレベルを以下のように定義づけると、僕の肌感覚ではレベル4の英語会話レベルが求められます。
レベル1:たどたどしいが時間をかけて何とか話せる
レベル2:日常会話が不自由なくできる
レベル3:ビジネスの場で意思疎通(要求の理解、要求の提示)が問題なくできる
レベル4:専門用語を使い、根拠を用いながらディスカッション(同意、反論、仮説の構築)ができる
レベル5 : 日本語と遜色なく話せる
面接中、難しい単語をわざわざチョイスして英会話をする必要はありませんが、ロジカルな思考ができているということをきちんとアピールするといいでしょう。
ちなみに、英語のインタビューが求められるかどうかは担当面接官の方針で決まります。日本語の場合もありますし、英語の場合もある。途中で英語になるかもしれない。ある意味、英語だけでいい外国人相手の面接よりも厳しいかもしれませんね…。
面接官が外国人の場合の英語
面接官が外国人の場合ですが、傾向としてネイティブのような英語力が求められることはないとおもいます。(ネイティブ並みの英語力があれば越したことはありませんので存分にアピールしましょう!)どちらかといえば、ここでも英語を使ってロジカルに物事を分析し、それを言語化できる能力を見られると思います。先ほどの例でいえばレベル4の英語力は必須です。
レベル1:たどたどしいが時間をかけて何とか話せる
レベル2:日常会話が不自由なくできる
レベル3:ビジネスの場で意思疎通(要求の理解、要求への返答、要求の提示)が問題なくできる
レベル4:専門用語を使い、根拠を用いながらディスカッション(同意、反論、仮説の構築)ができる
レベル5 : 日本語と遜色なく話せる
また、外国人が面接をする場合というのは、面接が最終段階であることが大半です。一次面接などでは末端の社員が担当するのが外資系金融の社内の暗黙のルールですが、末端社員が外国人であるケースはまずありません。外国人上司との面接=あと一息で面接による選考が終わると考えていいと思います。
ちなみに、外国人上司が見るポイントとしては
- 頭の回転の早さ
- ロイヤリティー
- 愛嬌
の3点につきます。1は英語能力と論理的な思考が求められますが、2と3に関してはレベル3あたりの英語でも大丈夫でしょう。留学経験がある人はスモールトークが難なくできるレベルでしょうから、例えばですが
「Do you want to make money in our company?」
という質問に対して
「Why not, sir? This is the reason why I am here :)」
みたいにウィットのきいた返し方もできますよね。こういうのって意外と外国人上司にとってはポイントが高いこともあります。いちおう豆知識として。
外資系企業金融に入社するために必要なTOEICのレベルは何点くらい?
では、このレベル4の英語力というのはTOEICにすると大体何点くらいなのか?ここが非常に知りたいポイントではないかと思うので解説をしたいと思います。
僕のTOEICのスコア
僕が生まれて初めて受けたTOEICの試験では840点。(全然大したことないですよね)以降、TOEICの試験を受ける機会はなかったのですが、それからも英語の勉強は継続していますし、外資系企業の面接対策のためのロープレやチューターとの授業をバンバン受けました。しかも、MBAのコースにも入学して論文なども書いていますから、そこからも英語力は確実に上がっているはずです。順調にスコアが上がっていると仮定すると、TOEIC大体950点前後のレベルにまでなっているのではないかと思っています。そもそも、TOEICなんて試験なわけですから、きちんと対策をすれば誰でも900点以上は余裕でいけるはずです。
外資系金融のレジュメで求められるTOEICスコア
外資系企業にレジュメを提出する際にはTOEIC840と書いています。今思えば
「よくこんな低い点数で堂々と書いたな…」
と思うのですが、それでも外資系金融や外資系銀行からオファーレターをもらっていますから、TOEICの点数が800点以上あれば大体オッケーなんでしょう。実際、TOEIC840点でも外資系金融の面接で苦労したことはありませんし、仕事をする上で困ったこともありません。
ただし、これはあくまでも僕のケースです。僕には海外での長期留学経験があったので、英語に関しては「まあ問題ないんじゃない?」と判断されたんでしょう。面接でもそう答えましたし。留学経験がない新卒の方や転職組の方の場合、TOEICの点数だけが英語力をはかる客観的な情報になりますので、スコアは高ければ高い方がいいでしょう。それだけライバルに差をつけることができますから。
結局TOEICの点数で言うと何点?
外資系金融の面接で求められる英語力ですが、TOEICで何点くらいのレベルがあればいいのか。レベル4のあたりの英会話ができるようなレベルですから、やはり800点後半から950点前後のレベルは最低限必要かと思います。それくらいのボキャブラリーがなければ面接で論理的な会話をするのに少し苦労するかもしれません。
TOEIC800点以上のボキャブラリーが頭の中にあれば、あとはそれをアウトプットする(口から出す=話す)練習をすればいいだけです。以前の記事でも触れたことがあるのですが、DMM英会話のような比較的価格が安いオンライン英会話を利用してアウトプットする練習をしましょう。
ボキャブラリーのアウトプットに費やす時間が長ければ長いほど、英語を口から出すという作業に慣れることができます。英語の面接対策として時間に投資しましょう。最終的にいい結果を得ることができるはずです!
まとめ
先ほども言いましたが、TOEICというのはあくまでも試験です。対策さえすれば誰でも高いスコアを取ることが可能です。実際、TOEICの点数は満点近く取ったことがある人と外資系金融で働いたことがあるのですが、あまりスピーキングはうまくありませんでしたし、
「え?これでTOEIC満点近いの?」
と正直思ったこともあります。
外資系金融に入社するためには面接をパスしなければいけません。面接は人と人とのコミュニケーションです。試験ではあるのですが、フォーマットは自由。そこには予期しない質問が存在しますし、答えをその場の空気や展開によって変化させなくてはいけません。そういった意味では、面接というのは対策に対策を重ねても常に”高得点”が取れるものではありません。
TOEICの点数というのは英語の能力を客観的に判断するための物差しです。しかし、実際に外資系金融の面接を乗り越えるためには、TOEICの点数でははかれないコミュニケーション能力が求められます。論理的思考、ロイヤリティー、愛嬌、自分が持っているもの全ての力を動員しましょう。そうすれば、あなたも外資系金融の面接を突破し、憧れの外資系金融の一員として活躍できるフィールドに立つことが可能です。
頑張ってくださいね!!